昭和26年、戦後の混乱が残る徳島の中心部に、当店「銀座一福」が誕生しました。ここでは、創業当初の話などを簡単にお話したいと思います。
初代「折原定二」が徳島在住していた中国の方に教わった中華そばの味に魅せられたのが当店の始まりです。
創業当時の中華そばは、豚のげんこつと鶏がらが主体のスープで、今にくらべると濃い目の脂っこい味でしたが、一度食べるとヤミツキになるような味だったと思います。
その頃の徳島県内では、小松島市で「カサイ」さん「洞月」さんというお店が屋台を始めた時期で、私の知る限りでは、徳島市内で初めての中華そば店だったと記憶しています。
最初のお店は屋台にプレハブが引っ付いたようなつくりで、5,6人のお客さんで一杯になる店でしたので、ほとんどの方が外で召し上がっていました。
徳島といえば、今でこそ徳島ラーメンのご当地として「中華そば」が有名ですが、創業当時、徳島で麺類のお店といえばほとんどがうどん店でした。そして豚等でダシを取る中華そばに対して、あまり良いイメージが無く、特に若い女性の方などには見向きもされない食べ物でした。
それでも、何度も来店されるお客様がいらっしゃることに勇気付けられていました。そして、必ずたくさんの方がこの味に惹かれて来店されると確信していました。